
なぜ労働紛争が起きるのか
1 社会的背景
バブル崩壊後、日本経済の成長神話は脆く崩れ去りました。
景気が上向く兆しも一時見えましたが、リーマンショック後に景気はさらに低迷し、企業経営をめぐる環境は日ごとに厳しさを増しています。
健全な企業経営のためには従業員のパフォーマンスを最大限引き出すことが必要ですが、反面、従業員の人件費が経営者にとって大きなコスト割合を占めることも否定できません。
そのため、給与の不払や従業員の解雇に至り、従業員側がその適法性を争う紛争が増加しているのが現実です。
また、雇用調整のため非正規従業員の雇用割合を増やす企業も増加していますが、これら非正規従業員の処遇をめぐる紛争も増加しています。
さらに、従業員を削減した結果もたらされたオーバーワークや職場環境の悪化が、残った従業員の心身の健康を損ない、使用者側が安全配慮義務違反を問われるケースも増えています。
